国際金融規制の現状と課題

開催日 2016年4月27日
スピーカー 河合 美宏 (保険監督者国際機構(IAIS)事務局長/金融安定理事会委員)
モデレータ 黒澤 利武 (経済産業省貿易経済協力局審議官(貿易経済協力局・海外戦略担当))
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金融機関を規制対象とする国際金融規制が世界経済や金融機関の経営に大きな影響を与えてきている。特に金融危機以降、国際金融規制基準が見直され、金融機関に対する規制が強化された。2008年のリーマンショックでは一金融機関の破綻が世界経済に深刻な打撃を与えた。金融がグローバル化し、世界経済はその恩恵を多大に受けている反面、何処かの国の金融機関の破綻が直ぐに飛び火し、他国へ深刻な負の影響を与える可能性があるという脆さがある。

金融機関は国境を越えてお互いに資金を融通しあっているため、自国の金融システムが安定するためには、他国の金融システムも安定していることが重要となってきている。各国の金融機関が安定するためには適正な金融規制を国際的に定め、それを各国の金融規制当局、金融機関が遵守することが大切なのである。

例えばバーゼル銀行監督委員会が定める銀行監督基準や保険監督者国際機構が定める保険監督規制基準は、日本を始め世界の主要国金融当局がそれを導入し、国際的に整合性のある規制、監督を促進することにより銀行や保険会社の健全な経営に貢献してきている。

本講演では国際金融規制の背景と作られ方、主な国際金融規制のあらまし、国際金融規制の将来についてわかりやすく解説する。

議事録

背景と歴史

河合 美宏写真国際金融規制は、経済の基本である金融を守る上で非常に重要な役割を果たしています。2007〜2009年の金融危機以降、国際金融規制に対する期待感が高まったのは、リーマンショックのように国際的に活動する金融機関が破綻した場合、国際経済に与える負の影響が非常に大きいことが分かったからです。

リーマン・ブラザーズが破綻した後、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)や金融機関は、米政府や他の政府によって、公的資金の注入などさまざまな手段で救済されてきました。あのとき、AIGや金融機関が救われていなければ、われわれは1930年代の世界大恐慌よりもさらに深刻な打撃を受けていたと思います。

現代のような世界経済のグローバル化の進展は、恩恵が非常に大きい一方で、金融システムにはもろさがあります。そのもろさを克服するために、われわれは金融危機以降、しっかりとした国際金融規制をつくり、各国で適用してもらおうと考えました。

国際金融規制の歴史をひもとくと、全て金融危機や国際的な金融の混乱が引き金になっています。たとえば、1973年に先進国が変動為替相場制に移行して相場が混乱したことを受け、翌年にバーゼル銀行監督委員会ができました。1994年には保険監督者国際機構(IAIS)も誕生し、1997〜1998年のアジア通貨危機によって1999年に金融安定化フォーラム(FSF)、2008〜2009年の金融危機で金融安定理事会(FSB)が生まれました。ただ、FSBのガバナンスにしても、あり方にしても、まだ完璧ではなく、これから進化していく必要があると思います。

制定方法

国際規制の制定方法はある意味ベールに包まれていて、銀行であればバーゼル銀行監督委員会、保険であればIAISが委員会をつくって決めています。ただ、1つのグループで全てを決めているわけではなく、階層があります。たとえば保険の資本規制をつくる場合、部会で原案がつくられます。そのメンバーは基本的にその分野の内容を最もよく分かっている専門家であり、草案を親部会に上げます。

親部会のメンバーは大局的にものを言える立場の人であり、草案に対してコメントを加え、さらに良い基準をつくります。最終的に、IAISでいえば執行委員会、バーゼル委員会でいえば委員会自体、FSBでいえばプレナリーという委員会で、監督者の立場であるトップの人たちが集まって判断します。

国際規制の意志決定は、基本的にコンセンサスです。コンセンサスは全会一致と多数決の間くらいであり、議論を何回か重ねる中で多数派が少数派に妥協案などを提示して、多数派を増やします。すると、最終的に少数派は2〜3カ国に限られ、意見が変わるまでとことん議論します。もちろん、国の影響力の大小もコンセンサスを得る上で実質上重要な判断材料となります。

委員会(メンバー)と事務局の関係は、日本でいう国会(委員会にあたる)と役所(事務局にあたる)の関係に似ています。事務局が原案をつくって委員会に出し、委員会で採決されれば、実際に執行するのは事務局です。ですから、事務局は基準をつくる上で非常に大きい影響力を持っています。

FSBは分野をまたぐものや、区別が曖昧なものをつくっています。たとえば、システム上重要な大枠はFSBで決めて、保険に関する施策はIAIS、銀行はバーゼル委員会という形で役割分担しています。

各機関が顔を合わせる頻度は、金融危機前後で様変わりしました。金融危機以前のFSFはせいぜい年3〜4回の会議でしたが、現在のFSBは小委員会なども含めて30近くの委員会があり、電話会議も含めると恐らく200以上の会合が開かれています。

IAISでも同じくらいの頻度で会議が開かれています。IAIS主要メンバーはFSBのメンバーでもあるためにFSBの会議にも出るので、ほぼ毎日のように会議に出席をしているのが現状です。ですから、たとえば国際担当の金融当局者なら庁内の他部局の人よりも、他国の同じ委員会の人とのコミュニケーションの方が密になる場合もあります。

国際規制が国内規制となる理由

国際規制は、国際条約に基づいた基準でも合意事項でもなく、法的な拘束力はありません。銀行監督者同士が集まって委員会で決めたことです。それがなぜ、国内法になるかというと、国際規制は基本的にコンセンサスを得てつくっているからです。つくった後、自分たちの国にも取り入れることを原則としています。これはIAISをはじめ各機関の規約に定められており、自分たちでつくったものだから守ろうというのがわれわれの掟です。

国際規制には、国内法に落とさなければならないだけのインセンティブがあります。たとえばバーゼルの資本基準ができると、数値基準なので、格付け会社やアナリストがバーゼルの指標を使って銀行を選別します。当然、マーケットはそれに反応するので、実際にマーケットで使われることは非常に大きなインセンティブになります。

もう1つのインセンティブは、国のシステムを国際規制に合ったものにしようとする働きです。国際規制ができると、世界銀行と国際通貨基金(IMF)は金融セクター評価プログラム(FSAP)を使って、各国の金融システムを審査・評価します。G20メンバー国は評価された結果を公開することになっているので、国として金融システム、銀行システム、保険システム、証券システムが国際規制に合っているかどうかが分かるようなメカニズムができています。すると、国際規制に合った国のシステムにしようという動きが生まれます。こうして、紳士協定のように約束されたわれわれの基準が、各国の国内法として導入されるわけです。

主な規制基準

国際金融規制にはさまざまなものがあります。今回はその中でも特に注目されている3つの規制基準を説明します。1つ目は自己資本比率規制基準、2つ目は銀行・保険会社グループに対する規制基準、3つ目はグローバルなシステム上重要な金融機関に対する規制基準です。

まず、自己資本比率規制は、資本(キャピタル)に注目しています。バランスシートが示すとおり、資産(アセット)は自己の所有するもの、負債は返済義務のあるもの、資産の額から負債の額を引いたものが資本です。すなわち資本は自己の所有するもので株式などのように他に返済しなくてもいいものです。

会社や金融機関の経営は予測どおりに動かないので、貸し倒れが予想以上に増えたり、マーケットが極端に変動して資産価値が下がったりすると、当然資産は減ります。保険会社の場合は、予期せぬ事故が起こり支払いが増えたりすると、負債額が膨らみます。

このように予想しなかった資産が減る動きや負債が増える動きが起きても企業を継続する余力として機能するのが資本です。つまり、規制でいう資本には、予期せぬことが起きても、その企業・金融機関が健全な経営ができるためのバッファとしての意味があります。

そこで、バーゼル委員会は1988年、「バーゼル1」で、自己資本比率の最低基準を定めました。その当時は、リスクを細かく見るというよりは、「最低8%必要」という非常に大ざっぱな基準でした。さらに、「バーゼル2」では、もう少しリスクを詳細に見て基準をつくり、「バーゼル3」では資本の要求水準を上げることでリスクをさらに詳細に見て、システム上重要な銀行については普通の銀行よりさらに上乗せした資本を積ませることにしました。

保険の場合、保険金を将来どれくらい払うか分からないという大きなリスク要因があるので、資産部分だけでなく、負債部分のリスクにも注目して基準をつくっています。保険については2014年にグローバルでシステム上重要な保険会社に適用される基礎自己資本規制をつくり、国際的に活動する保険会社全般に適用される資本基準は2017年にバージョン1、2019年にバージョン2ができます。この基準は銀行でいえばバーゼル2やバーゼル3にあたる基準で、銀行の資本基準の場合と同じように日本の保険規制として導入されることになると思います。

次にグループ監督規制についてですが、これも非常に重要な国際基準です。重要である理由は、AIG危機が起こった原因にも関連しています。AIGの場合、保険の子会社は健全だったのですが、AIGグループのなかの金融取引をするロンドンの部門が問題を起こし、AIG危機を招きました。AIG危機を招いて分かったことは、グループ全体のリスクを包括的に見ている人が誰もいなかったことでした。AIGのマネジメントも監督者も、AIGが全体でどれだけのリスクを持っているのかをはっきり把握していませんでした。

アメリカには、持ち株会社(ホールディング)を監督する機関がありましたが、実際にはほとんど監督していませんでした。もちろん保険会社ですから、子会社にあたる保険会社は保険監督者が見ているのですが、AIG全体のリスクや、AIG内部における取引の全体像は誰も正確に把握していなかったのです。

保険規制の弱さは全体を連結して見る国際基準が出来ていなかった点にあります。日本の場合は連結して見ていますが、たとえばアメリカは連結で見ることが原則になっていなかったのです。ですから、金融危機の教訓を踏まえ国際基準として全体を見て監督することを基準として定めました。たとえば、保険会社グループが国際的に活動する場合、各国が自国に所在する保険会社を監督すると同時にグループ統括会社が所在する監督者が他国の監督者と協力して全体を把握して、グループとして、全体の活動を連結で把握します。

金融危機のときに、実際に連結の対象になっていなくても銀行が救済した例が多々あるので、そういうところをどのようにグループ全体で見ていくかについて今、バーゼル銀行監督委員会で議論しています。とにかく金融機関の活動を全体で見ることが非常に重要です。

また、規制をつくるだけでなく、国際的に活動する銀行・保険会社については、監督カレッジを開いています。同じ金融機関の監督者が最低年1回集まって意見交換し、監督方法について連携するものです。同じ金融機関を監督している人たちは同じ指標で見ていかなければならないし、危機が起きたときの対処についても意見の調整が行われなければなりません。進んでいる監督カレッジではウェブサイトを作り、守秘義務を守って意見交換するなどさまざまな手立てが取られています。

次にグローバルなシステム上重要な金融機関に対する規制基準についての説明です。この規制基準が必要なのが認識されたのは、リーマンショックのときに、リーマンが破綻したことで直接の利害関係者だけでなく、経済全体に多大な悪影響が起きたためです。この教訓を受け、危機以後グローバルなシステム上重要な金融機関に対してはそれ以外の金融機関よりも厳しく規制する規制基準を制定することとしました。たとえば、普通の銀行や保険会社であればバーゼル委員会やIAISで定められる資本基準が適用されますが、グローバルなシステム上重要な金融機関に対しては、資本基準をさらに上乗せして、金融機関が倒産する確率や倒産したときのインパクトをできるだけ減らす必要があります。また、ガバナンスや流動性の規制も厳しくするとともに、グローバルなシステム上重要な金融機関が倒産したときに、公的資金を使わずに清々と破綻処理できる仕組みをつくる必要があります。それらの導入が2011年から始まり、銀行・保険について選定手法や細かな施策が制定されましたが、銀行・保険以外のグローバルなシステム上重要な金融機関については現在さらに審議している段階です。

今後の課題

今後の課題として、幾つか大きなポイントがあります。まず、リスクにさらに敏感な規制基準をつくり、保険でも証券でも銀行でもさらに精緻化を図ることです。

また、規制をつくることと導入することは別です。各国で整合性のある形で導入されているかどうかを評価し、もしそうでない場合は是正を促します。ですから、規制をつくるだけでなく、調和的に導入されることに非常に注目しています。

次に、金融監督の推進です。規制が導入されたとしても、実際に運用する監督体制が不十分であったり監督者に十分な専門知識や情報がない場合があるので、規制基準が各国に導入されるだけではなく監督する際にその規制がうまく機能しているかどうかも注目しています。

さらに、抜け穴を防ぐことです。銀行の規制は特に金融危機以降、厳しくなりましたが、シャドーバンキングに代表されるように、銀行の規制にかからないような商品が提供されているといわれています。銀行による規制からの抜け穴を使った活動をどう防ぐかが議論されています。

最後に、IT進歩への対応です。大手金融機関のCEOに聞くと、今後最も経営に影響を及ぼすこととして多くのCEOが考えているのがフィンテックです。当然われわれ規制当局者の中でも、どう対応するかを議論しています。たとえば、アフリカの幾つかの国では通信事業や携帯電話などで銀行を介さずに金融取引が盛んに行われています。そのような企業が顧客情報をどんどん集めて商品を設計に協力し、保険や銀行の商品などを提供するようになっています。

保険会社と提携すれば保険会社を監督すればいいのですが、そのようなテレコム会社が情報を持って商品設計に参画するとなると、将来的に金融当局がテレコム会社を規制する必要が出てくるかもしれません。そのときにどのような規制を敷き、国際的に規制の調和化をどう図っていくかが今後の大きな論点になると思います。

どんな国際規制でも、できるまでには1〜2年かかります。われわれは規制がつくられるプロセスを市中協議文書として公表しているので、われわれが行っている国際規制にぜひ関心を持っていただき、日本にとって、世界にとって、いい基準を一緒につくっていきたいと考えています。

質疑応答

Q:

AIGが他業であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を販売するのを容認してきたのはそもそも問題です。CDSのような金融分野をどう規制するかという議論はFSBでどの程度行われたのでしょうか。

A:

CDSが盛んになった当初(2000〜2003年当時)は懐疑的な見方もあったのですが、2003〜2006年はリスクの分散が図れるとして非常に楽観的になりました。しかし、実際にふたを開けてみると、さまざまな非常に悪いリスクが含まれていたことが分かったのです。マーケットや金融機関全般がリスクのはっきり把握できない商品を非常に楽観的に評価し、監督者もそれを認めてしまったのです。

その教訓を受けてFSBは、銀行、保険、証券に当てはまらない分野についてかなり綿密に分析し、シャドーバンキングとしてその分野を色分けして、それぞれについて規制基準を議論しています。特に注目しているのは資産運用会社です。資産運用会社が預金に近い商品を多く売ると、何か危機が起きたときに流動性の問題に対応できるのかなど、銀行と同じようにもう少し厳しく見ていく必要があると分析しています。

Q:

保険に関して、資本の方から攻める方法もあるかもしれませんが、責任準備金の方からはきちんと議論されているのでしょうか。また、保険のリスク管理については、監督官と並んでアクチュアリーが重要な役割を果たしているはずですが、今回のような監督規制では、彼らにどのように関与させようとしているのでしょうか。

A:

たとえば自然災害リスクを例に取ると、発生すると多大な支払いが必要になるので、責任準備金(保険負債)の動きについて、ストレステストなどを使い国際的に活躍する保険会社40社からデータを集めて分析し、資本基準を決めることとしています。枠組み自体も保険負債に関わるリスクの資本基準に占めるウエートは大きく負債リスクを十分に考慮した資本規制にしています。

アクチュアリーに関しては、最近は負債の計算のみならず保険会社のリスク全般についてアクチュアリーに頼っている会社が多いです。ただ、倒産した会社の事例を見ると、アクチュアリーの判断が間違っていたこともあります。ですから、アクチュアリーの専門性を重んじリスク分析に貢献をしてもらうのは重要ですが、それが正しいかを企業統治の観点からチェックする体制も重要であると思います。

Q:

途上国へのインフラ投資などに対して、保険業界はどのように対応しているのでしょうか。その監督当局者としてどう対応しようとしているのでしょうか。

A:

保険会社は、機関投資家として非常に大きな役割を果たしていますが、最近はそれが経済成長に役立つとして、われわれの規制の中でも盛んに議論されています。金融危機以降は、金融機関に対する規制を厳しくしようという大きな流れがあったのですが、なかなか高度成長が望めない中で、特に途上国に対するインフラ整備などのニーズもあって、金融機関が果たす役割は大きく、そのことを考慮した規制を取るべきだといわれています。

インフラ投資は長期的なもので、政治リスクなども当然関係するので先が読みにくいため、そこを考慮した上で規制をつくるべきです。ただ、物件によってはリスクが低いものもあるので、一律に厳しい規制を敷くのではなく、個別にリスクを考慮できるような規制基準を考えるのが妥当かもしれません。

Q:

金融規制が経済の成長を抑えているという意見についてどう考えますか。

A:

金融危機の教訓を受け、われわれは危機以降非常に慎重に基準をつくってきました。ただ、経済成長を支えるのが金融機関の本来の役割でありバランスを考えてつくっています。規制が金融機関の健全な発展を支え、持続的な経済成長を支えていくことは重要であることを念頭において、IAISやFSBでの議論もそのバランスを考えたものになっています。

Q:

ルールメーキングやルールをつくった後のディスクローズ、法令順守の過程で、中国やロシアが国際ルールを守っているようには見えないのですが、実態はどうなのでしょうか。

A:

われわれは、基準をつくるだけでなく、順守を促すのも仕事です。たとえばバーゼル委員会では、今まで資本基準をつくっていた人たちが、規制の順守に対して相当な労力と時間を割いて作業を進めています。ですから、規制がうまく導入されていなかったり、抜け穴をつくっていたりする事例があっても、長い目で見れば是正されていくと思います。

Q:

中央銀行がマクロ・プルーデンスで重要な役割を果たすようになって何が変わったのでしょうか。そして、その有効性は本当にあるのでしょうか。

A:

実際にシステムリスクを考えるときに、個別の企業や金融機関だけでなく、マーケット全体を見て分析し、それに対する施策を考える動きが出てきています。中央銀行の人はそうした専門知識が豊富なので、その知識を使い制度を整備しつつあるのが現状です。

Q:

アメリカでは、金融危機時に公的救済がしにくく法律が改正されたと理解しています。しかし、もし公的救済しなかったら国際的な金融危機につながる危険があると思いますがどう考えていますか。

A:

確かにアメリカでは、金融危機以後法律が改正され、公的資金を使った救済がしにくくなりました。一方でグローバルなシステム上重要な金融機関については資本のみならず、損失吸収力として負債も使い、公的救済を受けずに秩序だって救済される仕組みを昨年国際的に合意しました。しかしそのような手段があっても万一アメリカで公的資金が必要となったな事態が起こったらおそらく議会が法律を変えて、資金を投入するしか手段がないのではないでしょうか。もしそのような事態になっても公的資金が入らず、再建や破綻処理が秩序だって行われなかったら、個人的には非常に不安を覚えます。もちろん国が資金を出さないで事態が解決するのが一番いいのですが、最後の手段として出す可能性を持っているのも非常に重要だと思います。

この議事録はRIETI編集部の責任でまとめたものです。