日本のエネルギーの課題と今後 ― 先行するヨーロッパに学ぶ

開催日 2015年11月19日
スピーカー 金子 祥三 (東京大学生産技術研究所工学博士/エネルギー工学連携研究センターシニア協力員)
モデレータ 友澤 孝規 (資源エネルギー庁総合政策課戦略企画室長補佐)
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開催案内/講演概要

2015年7月、日本のエネルギー政策にかかわる重要な3つの方針が決定された。

①エネルギーミックス②CO₂削減目標③電力自由化の3つである。ある意味で今日本は将来に向けた重要な転換点に立っているといえる。一方、ヨーロッパ、特にドイツにおいては、日本に先行して大きな方針変更が行なわれ、実施されてきた。すなわち①エネルギー変換(原子力から再生可能エネルギーへ)②CO₂削減の意欲的な目標③電力自由化である。参考にすべき良い結果も多いが、一方、深刻な問題も顕在化している。幸い日本にはまだ時間がある。良い所は学んで取り入れ、悪い所は決して真似をしない、という日本独自のしっかりとした姿勢で進んでいくべきである。今回の講演では、ヨーロッパを他山の石として、日本の進むべき正しい方向についてお話し頂く。

議事録

日本の現状

金子 祥三写真 欧州、とくにドイツのエネルギー政策は日本より5年は先行しています。いいところは真似すべきだと思いますが、いろいろな問題も現実に起こっており、絶対に真似してはいけないところがいくつかあります。日本では、これから制度設計などが具体化していきますので、同じ過ちを繰り返さないよう注意する必要があります。

2015年6~7月、日本では重要な国の方針が決定しました。1つ目はエネルギーベストミックス、2つ目にCO2削減目標(2030年に26%減)、3つ目に電力自由化(電力システム改革)です。このように、かつてなかった大きな3つの動きが始まっています。この3つをどう具体化し、実行していくかが重要となります。

エネルギーは、国内に閉じたものではなく世界をみなければならない問題です。各国とも3E(Energy Security+Economy+Environment)を目指すのは当然ですが、COP21を控え、地球温暖化対策として各国が意欲的なCO2削減目標を掲げています。温暖化防止の美名のもと、石炭火力を悪と主張する動きもありますが、背景には各国の思惑がありますので、単純に考えるわけにはいきません。原子力に関しては、脱原子力国と建設意欲の旺盛な国に二分しているのが世界の現状だと思います。

日本のエネルギーミックスは、原子力と石炭をベースロード電源と定義すると2013年実績は31%(石炭30%、原子力1%)でしたが、2030年目標は48%(石炭26%、原子力20~22%)としています。また、2030年目標の化石燃料の割合は56%(石炭26%、天然ガス27%、石油3%)、非化石燃料は44%(再生可能エネルギー22~24%、原子力20~22%)となっています。

日本の再生可能エネルギーの内訳(2013年実績)をみると、幸いなことに水力が一定の比率で運用され、安定型は9.2%(地熱0.3%、水力8.5%、バイオマス0.4%)となっており、変動型は1.5%(太陽光1.0%、風力0.5%)に留まります。一方、2030年の再生可能エネルギー目標の内訳では、変動型が8.7%(太陽光7%、風力1.7%)に増加し、安定型は14%(地熱1%、水力9%、バイオマス4%)となる計画です。水力を増やすのはなかなか難しいわけですが、いずれにしても日本のように孤立した電力系統の場合、安定型を伸ばしていくという方針は正しいと思います。

エネルギーミックスについてはいろいろ意見があるわけですが、個人的には、よくまとめられていると思います。CO2削減や電力料金、エネルギーセキュリティ(国産エネルギーの確保)、電力の安定供給といった要素の共存解は非常に狭いため、それぞれを条件設定していった結果、現在の目標にまとまったのだと思います。目標としては妥当だと思いますので、原子力、再生可能エネルギー、火力発電が協調しながら全体のミックスを実現していくことが大事です。

2030年までにCO2を2013年比26%削減するという目標は野心的だと思いますが、エネルギーミックス計画との整合性やCOP21といった政治的な意味合いを勘案すると、EUや米国の修正案とほぼ同水準ということで、日本だけが努力不足だと糾弾されることもないでしょう。

CO2削減は全地球的な難しい問題です。日本は3%程度の影響度しかないため、日本の技術で世界に貢献することが、より現実的な対応だというのも事実だと思います。また最近、米国やドイツを中心としたEUで、石炭火力を悪とする脱石炭のムーブメントがあります。

欧州(ドイツ)の現状と課題

欧州は日本に条件が近く、かつ温暖化対策など日本に先行しており、参考になります。中でもドイツは、理念先行型で試行錯誤の状態にあり、日本の将来を暗示しています。私の見解では、ドイツは2014年に再生可能エネルギーの発電電力量比が25%に達し、致命的な問題が発生しています。

しかし、ポーランドをはじめとする中央諸国はドイツと国情が大きく異なり、立ち位置の違いが表れてきています。日本は、地球温暖化問題などを世界と協調して進める必要がありますが、その中でEUとの関係は重要であり、とくに鍵を握るのはポーランドといえるでしょう。

EUの目標値は、2020年までに温室効果ガスを20%削減し、再生可能エネルギーを20%増やし、エネルギー効率を20%上げるという「トリプル20」を2020年までに実現し、2030年までには再生可能エネルギーを27%に増やすというものです。ドイツは当然、EUの目標に沿って若干リードする動きをしています。

ヨーロッパ各国の発電電力量割合(2011年)をみると、ポーランドは火力が91.9%、うち石炭が90%近くを占めます。炭素強度(発電1kWhで排出されるCO2量)はポーランドが912(g‐CO2/kWh)で中国を上回り、世界で最も高い水準となっています。英国は450、ドイツは464、イタリアは405、フランスは50という状況です。

ドイツの再生可能エネルギーは、2000年前後に6%程度しかありませんでした。その後、再生可能エネルギーを増やそうという国の方針にしたがって2011年前後には19.9%、2014年には25.7%を達成しています。一方、この時点で、かなり深刻な問題が起こり、取り返しがつかないような状況もみられます。

ドイツは平地で水力が少ないため、再生可能エネルギー24%のうち変動型が13%(太陽光5%、風力8%)を占め、電力の系統安定性の上で大きな問題を抱えています。ただし日本と違って孤立型ではなく、フランスやポーランドにもつながっているため迂回もできるわけですが、やはり変動型が多いことがネックといえます。たとえばバイオマスを増やそうとすれば、輸入バイオマスに頼らざるを得ず、それもまた問題となります。

再生可能エネルギーの出力は自然まかせで、電力需要とまったく関係なく発電します。このギャップを現実に埋めるには、火力のバックアップが必要となります。つまり再生可能エネルギーが増えていくほど、それに対応できる変動型の火力発電を確保しておかなければブラックアウトが起きてしまうということです。

ドイツは風力発電が多いのですが、とくに大型の設備は北部に集中しています。さらに、最近は洋上へ進出する動きがみられますが、コストは陸上の2~3倍となります。ドイツの再生可能エネルギー負荷変動の例として、2008年3月には1日の最大変動幅が1400万kWというデータもあります。これは東北電力の全発電能力に匹敵する能力です。日本でも、春一番のように猛烈な風が吹き、翌日ピタリと止まるときがありますが、欧州でも風車が一斉に動いて一斉に止まるという現象が現実に起こっているわけです。

こうしたギャップが生じていても、ブラックアウトが起こっていないのはなぜかというと、火力発電を一斉に立ち上げるなどして対処しているためです。2012年春のドイツのデータをみると、電力需要を最優先で支えているのは原子力です。8基の原発が通年で連続運転し、あとは褐炭火力がベースロードで支えています。その上で、再生可能エネルギーの負荷変動を支えているのは石炭火力です。しかし石炭は燃焼に大きなファーネス(炉)を必要とし、図体が大きく時定数が大きい電源のため、本来は再生可能エネルギーの負荷変動の補完には不向きといえます。

一方で近年、石炭火力、天然ガス火力の運転時間は大幅に低下しています。ドイツ政府も新設を求めているのですが、石炭火力は年間7000時間程度運転して売電できなければ投資回収できないのに、現実は4000時間以下しか見込めないため、建設できません。火力がまったく新設できないことは極めて深刻な問題で、それが今後、ドイツに大きな負担をかけていくことになります。

天然ガスのコンバインドサイクルは発電効率が高いため、日本でも新設される天然ガス火力のほとんどに採用されています。RWE社のLingen天然ガスコンバインドサイクルは、2011年には活発に稼働していましたが、2013年の6月、7月には、ほとんど動いていません。2012年に運転を開始した最新鋭の天然ガスプラントも年間500時間以下しか運転できず、ついに満水保管停止(Mothballing)となりました。新規稼働して数年しか経たない高効率の天然ガスプラントが保管に入ってしまう状況が、次々に起こっているという現実があります。こういう事態が起こっているのは、やはり制度設計がおかしいと言わざるを得ません。

Mothballingとは、ちょうど着物・衣類を長期保管するときに、箪笥の中に防虫剤(モスボール)を入れて保管するように、発電機器の腐食やサビを防ぐため、水・窒素などを封入して長期に保管することをいいます。この場合、運転員は不要となりますが、一度長期保管に入ると、運転再開には数カ月かかります。

こうした状況の理由として、Merit Orderという卸売電力市場のメカニズムがあります。再生可能エネルギーの最優先運転の枠が設定されたことで、原子力、褐炭火力、石炭火力の一部で市場の売電量が満たされてしまい、天然ガス火力にはお呼びがかからず、運転できなくなったわけです。そして再生可能エネルギー導入前に比べ、売電単価も低くなりました。このMerit Orderが、いろいろな矛盾を引き起こしています。売電量が減り、単価も下がるというダブルのプレッシャーが発電会社にかかり、大幅な収入減が起こっているということです。

ドイツでは、RWE、E.ON、EnBW、Vattenfallの4大電力会社で、ドイツ国内の75%以上の電力を供給しています。その中で、E.ONのみが2013年に黒字を計上したのですが、昨年9月にハンブルグで行われたVGB大会での同社の発表は、実に悲痛なものでした。既設火力からは収益が得られず、新設火力は新設できないなど、7重苦の中でどうやって経営していけばよいのかという内容です。その後、E.ONは2014年に45億ユーロ(6800億円)の特別損失を出し、2016年に原子力・火力・水力部門を分離し、スペインとポルトガルの事業を売却する計画を発表しました。

ドイツ電力業界では、1)既設(石炭・天然ガス)発電所が運転できず、売電収入が減り大赤字。2)人員削減などの縮減対策。3)新設火力は採算が合わず建設できない(採算が合うのは風力発電のみ)。4)火力の新設がないため製造メーカーも疲弊。5)電力会社、製造メーカーとも外国に活路を見出している。という惨状がみられます。電気の品質も悪化しており、ドイツ東部グリッドでは、電気の品質維持のための介入が4年間で3回から111回に増加。今後、再生エネルギーの増加に伴い、ますます深刻化することが予想されます。さらに、送電線の建設は遅々として進んでいません。

ドイツのメルケル首相は、2011年6月9日の議会演説において、ドイツは2022年までにすべての原子力を停止し、かつ供給不安をなくすため2020年までに少なくとも1000万kW(できれば2000万kW)の火力発電所(主に石炭)を建設する必要がある。あれもいや、これもいやという甘えは許されないと述べています。また、再生可能エネルギーは2020年までに35%に増加させ、エネルギー多消費産業に従事する100万人の雇用を守るため、その負担増加額は3.5セント/kWh以下に抑えるということでしたが、現実には抑えられていません。さらに、変動電力の増加に伴う不安定化防止のため800kmの送電網建設が必要と言っていますが、現状は100km未満に留まっています。

ここからわかるように、2011年6月の時点で指摘されていた問題が、現実には全く対応できていません。2010年を100とすると、現在の卸売電力価格は70まで下落しています。一方、家庭用小売電力価格は125に上昇しています。つまり電力会社は大赤字、家庭用電力料金は世界でもっとも高いというのが、ドイツの現状です。ドイツの産業用電力料金は日本とほぼ同じですが、家庭用は2倍に上ります。

そこで、デュースブルグエッセン大学のゲルナー教授は、ガスの活用を提案しています。ドイツの南北のエネルギー輸送能力は電力よりもガスのほうが大きいため、北部の余剰電力をガスに変え、ガスパイプラインで南部へ送るというものです。100の再生可能エネルギーが25に減ってしまいますが、捨てるよりはましだという考えです。

地域電力(Stadtwerke)の努力として、Duesseldorf市営電力のLausward発電所では、古い石炭火力を廃止して最新鋭の天然ガスコンバインドサイクル発電所を建設しており、今年中に完成予定です。地域熱併給による優先運転、地域との共存による市民の支持が不可欠で、稼働率を上げるための涙ぐましい努力がみられます。

一方、ポーランドを筆頭とする中央ヨーロッパ11カ国は必ずしもドイツとは利害が一致せず、意見の大きく異なる点があります。とくに発電の90%を石炭火力に頼るポーランドでは、地球温暖化対策においてドイツと大きく異なります。これらの国々は、自国の化石燃料は石炭(褐炭を含む)のみであり、石炭なしに国が成り立たないのです。

これからの日本の進むべき道

今の日本の発電プラントの競争相手は、中国、韓国、ドイツ、米国のみです。そして発電設備は、何万という部品から構成される複雑なシステムのため、道路や橋などのインフラに比べて1桁増えるほどの投資額になります。またアジアのほとんどの国が電力が足りません。ですから日本が発電所の建設で支援することは、国際協力の大きな鍵となるでしょう。

中国や韓国が日本の競争相手になったのは、この20年のうちです。造船、鉄鋼、テレビなどは、次々と追い抜かれました。発電用ボイラーの輸出実績をみると、争っているのは中国、韓国、日本のたった3カ国であり、石炭火力輸出に対する各国のファイナンスでは中国がトップです。私は、気候変動枠組条約(UNFCCC)にこだわらず、二国間クレジット制度(JCM)で本当に役に立つ事業を行い、日本のシンパを増やしていけばいいと思います。

天然ガス火力と異なり、設備費の比率が大きい石炭火力は、低金利融資がなければ成り立ちません。これまでは、電力事業者が将来を見越して石炭火力の新技術を導入できましたが、自由化された市場メカニズムでは不可能です。つまり政策でカバーするしかないのです。日本国内での石炭新技術の採用、またその成果を次々に海外に展開し国際協力を進めること、どちらも強力な国のバックアップが必要です。

質疑応答

Q:

水素エネルギーについては、どのように考えたらいいでしょうか。

A:

天然の水素は存在しないため人工的に作らなければなりませんが、商業的に普及させるには、燃料費が安くならない限り自動的には増えないと思います。現在、最も安いコストで水素を作る方法は天然ガスからのリフォーミングですが、エネルギー量が半減するため価格は天然ガスの2倍になり、さらにインフラのコストを含めると4~5倍、場合によっては10倍に膨らみます。このように高価な水素が、大量の燃料を消費する用途に向いているかは疑問です。

卸売単価が改善される見通しが立たない限り、水素スタンドの数をいくら増やしても仕方ありません。技術開発を進める意義はあると思いますが、水素が市場に自動的に入って来ることはないでしょう。ドイツのゲルナー教授も、捨てるよりはましだということでPower to Gasを提唱されているわけです。技術的な課題も残されています。

Q:

日本国内の電力自由化に伴い、周波数変動はどの程度に抑えられるとお考えでしょうか。

A:

計画通りに対応策がとられていけば、エネルギーミックス目標値の水準で周波数はきちんと保持できると考えています。ただし、やはり蓄電池などはコストがかかってしまうため、費用対効果を考えると火力のバックアップが不可欠になります。日本は質の高い電力を維持していますが、品質を保つのは大切なことです。±0.2Hz以内(本州)、±0.3Hz以内(北海道・沖縄)の安定した電力を小さな町工場でも好きなだけ使えることが、部品1つ1つのクオリティを高め、日本の技術の底辺を支えているといえるでしょう。ですから系統の安定性は絶対に失敗しないよう、取り組んでほしいと思います。

Q:

周波数がEU並みにぶれていくことを前提とすれば、自家発電設備を持たないところは、現在の精度は期待できないように思いますが、いかがでしょうか。

A:

現在、小容量火力の検討会にも参加していますが、小は悪だからやめるべきという単純な議論もみられます。しかし安定性を考えると、蒸気タービンは変動を吸収しやすいため、系統に火力があることは大きなメリットになります。ある地域の再生可能エネルギーの変動電力をその地域の火力が補完するという考え方は非常に合理的で、最も経済的です。いつ動かすかわからない蓄電池などは不経済だという前提があります。たとえば九州電力は系統が孤立しているため、太陽光の影響が予想外に大きく、早く出てきています。その辺りが手遅れにならないように対応していけば、何とかなると考えています。

Q:

先行しているドイツで行き詰まりが表面化しているようですが、今後はどういう方向へ変えるべきとお考えでしょうか。また電力消費大国の米国では、問題はないのでしょうか。

A:

個人的な予想ですが、あと5年以内に修正アクションがかかると思います。世界最高水準の電力料金という家庭へのしわ寄せが、いつまでも続くとは思えません。また、電力会社が経営を健全化しようとすれば人員解雇しかなく、それが現実の問題になりつつあります。従来のように、教会や学会といった公益事業を電力会社が支えることもできなくなっています。ドイツは産学協働が盛んですが、大学との共同研究も軒並み中止になっており、唯一、負荷変動率にかかわる研究は継続されているようです。こうした状況に対し、徐々に疑問の声が出てくると思います。

米国は、2005年にブッシュ大統領(当時)がエネルギー政策を打ち出した際、あれだけ石炭、石炭と言っていたわけですが、それが突如として2013年6月25日、オバマ大統領はジョージタウン大学での演説において、石炭火力を技術面・経済面で締め上げ、事実上禁止する計画を発表しました。米国は、既設火力の運転は認めつつ、シェールガスの活用によってエネルギーコストを下げ、エネルギー多消費産業を国内に呼び戻して製造業の復権を図り、2040年までに産業復興を果たすとしています。

米国内はそれでいいのですが、アジアには石炭火力を必要とする国が多いため、日本にやめろというのは言い過ぎだと思います。日本がやめたとしても、中国がAIIBで独自ファイナンスをすれば、世銀が禁止しようと、アジア開銀が禁止しようと、何の効果もありません。だから米国は、日本をいじめないでほしいというのが私の意見です。

Q:

ドイツにとってロシアは、日本にとっての中国のような関係の国だと聞いたことがあります。ロシアからの天然ガスをいかに減らすかが、最優先の政治的課題であるという指導者もドイツにはいるようです。コメントをうかがえればと思います。

A:

その通りだと思います。ドイツもそうですが、より大変なのはポーランドです。ポーランドの天然ガスはすべてロシアからのパイプラインで来ており、ロシアにバルブを閉められたらおしまいだと言われています。そこで現在、米国のシェールガスを前提にしたLNGターミナルがオランダ、デンマークなど西側から入ってこようとしています。このようにポーランドでは、少なくとも対抗勢力のある状況に持っていきたいという声をよく聞きます。

この議事録はRIETI編集部の責任でまとめたものです。