CEPR-RIETI 国際共同セミナー

企業ネットワークのグローバル化とアウトソーシング

イベント概要

  • 日時:2007年11月26日(月) 14:00~17:00(受付開始及び開場:13:45)
  • 会場:経済産業研究所セミナー室(経済産業省別館11階1121)
  • 開催言語:英語⇔日本語(同時通訳あり。先着40名)
  • 参加費:無料
  • 主催:Centre for Economic Policy Research (CEPR)/独立行政法人経済産業研究所 (RIETI)
  • お問合せ:石原千恵子
    Tel:03-3501-1375 Fax:03-3501-8416

「企業ネットワークのグローバル化とアウトソーシング」(速報)

急速に進む経済のグローバル化は企業間・企業内の国際的な分業と取引関係に大きな変化をもたらしています。従来行われてきた輸出や直接投資以外に、業務(tasks)のアウトソーシングが国境を越えた取り引きとしてシェアを伸ばしつつあります。その一方で、こうした海外アウトソーシングの活動が今後どのように進展するのか、制度設計にどのような影響をもたらすのかという点は十分に議論されていません。アジアを中心に急速に進む日本の製造業の海外展開の中で、海外アウトソーシングが今後どのように進むのかは、日本経済の展望を大きく左右するものであり、正確な実態把握と政策への影響に関する議論が求められています。

今回RIETIは、欧州屈指の政策シンクタンクCEPR(Centre for Economic Policy Research) との国際共同セミナー第2回目として、ジュネーブ国際研究大学院のリチャード・ボールドウィン教授を招き、日本側からは、藤田昌久RIETI所長、若杉隆平教授(京都大学経済研究所)、冨浦英一教授(横浜国立大学)が最新動向に即した研究成果を発表し、その政策的な意義についてボールドウィン教授と議論しました。

ボールドウィン教授の発表では、グローバル化の新しい側面として企業の海外アウトソーシングを考える概念的な枠組みが披露され、その政策的なインプリケーションについて議論が展開されました。同教授は、海外アウトソーシングによる業務の貿易が拡大することで得られる利益は、従来の財の貿易によって得られる利益と同じであることを指摘しました。その一方で、同教授は業務の取り引きが活発化することで、勝者と敗者が業務レベルで決定する社会になっていくと述べました。政策決定に対する影響については、どの業務が他の業務と切り離されて海外へアウトソーシングされるか予測不可能なため、グローバル化による勝者と敗者を見極めることが困難になっていることを指摘しました。従来行われてきた産業・地域・企業向けの政策でなく、個人向けへと政策環境が変容することを指摘し、労働・教育政策も含めた活発な議論が日本側研究者とフロア参加者との間で行われました。

その後日本側研究者からは、RIETIが今年1月に日本の製造業を対象に実施した海外へのアウトソーシングと研究開発活動に関するアンケート調査の結果を基に、海外アウトソーシングの実態について報告がありました(詳細についてはDP-07-E-060を参照 )。この報告では、特に日本企業の海外アウトソーシング活動はこの5年間で増加しているものの一部の企業に限られること、地域別ではアジア地域へ集中していること、業務別ではサービスに関する業務よりも組立や生産に関する業務のアウトソーシングが大部分を占めることなどが示されました。これに対してボールドウィン教授は、予測不可能性を克服するために業務レベルで海外アウトソーシングの実態を明らかにすることは貴重な試みであるとして、今後の精緻な分析テーマなどに関して同教授と日本側研究者との間で活発な意見交換が行われました。より詳細な議論の概要は近日RIETIウェブサイトから公表されます。