RIETI政策シンポジウム

グローバル化時代の生産性向上策 -サービス業の活性化と無形資産の役割-

開催案内

IT革命とグローバル化は、1990年代以降の世界経済の動向を大きく左右しています。各国とも新技術を利用することによって、新しい産業を興し、生産性を向上させることによって、自国の経済を成長させ、グローバルな競争に対応しようとしています。長らく停滞を続けてきた日本でも、景気が回復するとともに、ようやく生産性向上の必要性が認識され始め、政府も経済財政諮問会議の場で、「成長力加速プログラム」を策定しています。

日本の産業構造を見ますと、日本の製造業はこれまで高い国際競争力を維持してきましたが、労働シェアの60%以上を占めるサービス産業の生産性は欧米に大きく遅れをとっています。欧米では、サービス業の生産性向上には、人材育成、IT化に対応した組織の再編成など、より広範な無形資産の蓄積が重要な役割を果たすと認識されています。日本経済全体が、生産性向上を図るためには、無形資産の役割を認識し、サービス産業での生産性を向上させなければなりません。

RIETIにおける産業・企業生産性プロジェクトは、このたびヨーロッパにおける生産性プロジェクトに参画することにより、欧米先進国と産業レベルで生産性比較を行うことが可能になりました。本シンポジウムでは、第1部でこの国際的な生産性比較のプロジェクト成果を中心に、サービス産業を中心とした生産性の上昇を、どのような方法で達成していけばよいかを日本、欧州、米国の立場から議論します。

続けて、第2部では、第1部での報告をもとに、政策担当者にも加わっていただき、以下のような論点で、パネル・ディスカッションを行います。

  • 米国、欧州先進国、日本における産業別(特にサービス業)の生産性格差の要因と各国の生産性向上策。
  • サービス産業の生産性向上にとって、重要とされる無形資産の蓄積や規制改革は、各国でどのように進んでいるのか。
  • 米国は、今後もサービス産業を中心に生産性向上を持続できるのか。もし可能だとすればその根拠は?
  • 最近の欧州経済の好調は、どのような要因なのか。サービス産業の生産性が向上したからなのか。
  • 日本の生産性向上にとって必要な政策は?
  • 中国、インドの急成長は、米国、欧州先進国、日本の経済成長にどのような影響を及ぼすか?

実務家から内外研究者までの幅広い参加とディスカッションを通じて、本シンポジウムの成果が、今後のわが国の生産性向上策に寄与すると考えております。

イベント概要

  • 日時:2007年6月22日 (金) 13:00 - 17:55
  • 会場:グランドプリンスホテル赤坂 五色1階 新緑 (東京都千代田区紀尾井町1-2)
  • 開催言語:日本語⇔英語(同時通訳あり)
  • 参加費:無料
  • 主催:独立行政法人経済産業研究所(RIETI)
  • お問合せ:RIETI 加瀬知子 Tel:03-3501-8398

※シンポジウム終了後、インターネットにて当日の模様の一部をビデオ映像でご紹介(動画配信)する予定です。また資料も後日、本サイトからダウンロードしていただけます。

【シンポジウム映像の撮影と利用について】

プログラム

総合司会:木村 貴子 (RIETI)

13:00 - 13:05 開会挨拶

藤田 昌久 (RIETI所長・CRO/甲南大学教授/京都大学経済研究所特任教授)

13:05 - 15:30 基調報告

司会:淺羽 茂 (学習院大学経済学部教授)

13:05 - 13:45 基調報告1「グローバル経済からみた日本の生産性-サービス産業の生産性向上と無形資産の役割-」

宮川 努 (RIETIファカルティフェロー/学習院大学経済学部教授)

13:45 - 14:25 基調報告2「日本経済は本当に回復したか? -国際比較からの視点-」

Bart van ARK (Full Professor, Department of International Economics and Business, University of Groningen / Executive Director, Economic Research, The Conference Board, New York)

14:25 - 15:05 基調報告3「米国商業におけるダイナミックな革新」

Ron S. JARMIN (Research Director, Center for Economic Studies, U.S. Census Bureau)

15:05 - 15:30 Q&A

15:30 - 15:55 コーヒーブレイク

15:55 - 17:50 パネル・ディスカッション「グローバル経済における生産性向上策」

司会:長岡 貞男 (RIETI研究主幹/一橋大学イノベーション研究センター長・教授)

パネリスト:

黒田 昌裕 (内閣府経済社会総合研究所所長)

渡邉 正太郎 (株式会社りそなホールディングス社外取締役/株式会社伊勢丹社外取締役/経済同友会 前副代表幹事・専務理事)

佐藤 伸 (キュービーネット株式会社業務執行役員・関連企業管理部長)

坂田 一郎 (RIETIコンサルティングフェロー/経済産業省経済産業政策局政策企画官/東京大学工学系研究科技術経営戦略学専攻客員准教授)

Bart van ARK (Full Professor, Department of International Economics and Business, University of Groningen / Executive Director, Economic Research, The Conference Board, New York)

Ron S. JARMIN (Research Director, Center for Economic Studies, U.S. Census Bureau)

深尾 京司 (RIETIファカルティフェロー/一橋大学経済研究所教授)

17:25 - 17:50 Q&A

17:50 - 17:55 閉会挨拶

及川 耕造 (RIETI理事長)

18:00 - 交流会

*上記プログラムの講演内容および講演者は状況により変更することがありますのでご了承下さい。