政策シンポジウム他

ブロードバンド時代の制度設計

開催案内

インターネットの爆発的な拡大は「バブル崩壊」で一段落し、「IT不況」は予想外に深刻化しています。これを乗り越え、ブロードバンド時代を切り開くには、インフラだけではなく知的財産権や競争政策など制度の全体像を捉えた検討を行う必要があります。本コンファランスでは「情報経済フォーラム」との共催で、インターネットの世界で最も著名な論客であるスタンフォード大学のレッシグ教授を招き、ブロードバンド時代にふさわしい制度のあり方を考えます。

イベント概要

  • 日時:2001年10月19日(金) 9:30~17:30
  • 会場:三田共用会議所(東京都港区三田2-1-8)
  • 主催:経済産業研究所(RIETI)・経済産業省
  • 後援:総務省・経済団体連合会・朝日新聞社・(株)翔泳社

※シンポジウム終了後、インターネットにて当日の模様の一部をビデオ映像でご紹介(動画配信)する予定です。また資料も後日、本サイトからダウンロードしていただけます。

【シンポジウム映像の撮影と利用について】

プログラム

9:30-9:40 あいさつ

青木 昌彦 (RIETI所長/スタンフォード大学教授)

9:40-11:30 キーノート・スピーチ「革新のアーキテクチャ」

<要旨>インターネットは技術・商業面で飛躍的な革新を続けている。この革新はネットワークのアーキテクチャ、すなわち「コード」によるものである。
このアーキテクチャはネットのポリシーを規定する。
技術革新と創造性が持続するか否かは、この同じポリシーが維持されるか否かにかかっている。
ここでは、インターネットが表わす価値がこのアーキテクチャ(またはコード)といかに結びついているかを明らかにし、このアーキテクチャを歪めることによってその価値がいかに脅かされているかを示す。コードには政治的な要素があり、これに気づかないと、このコードに守られている価値を失うことになるだろう。

ローレンス・レッシグ

"The End of End-to-End: Preserving the Architecture of the Internet in the Broadband Era,"
UCLA Law Review, April 2001, with Mark Lemley.

【米国ではドットコムが崩壊し、地域電話会社が息を吹き返し、音楽配信サイト「ナプスター」が閉鎖に追い込まれるなど、「旧体制」の巻き返しが目立ちます。ブロードバンドの発展のために今、政府は何をすべきか、また何をすべきではないのかを考えます。】

スピーカー:

ローレンス・レッシグ (スタンフォード大学教授)

コメンテーター:

会津泉 (アジアネットワーク研究所代表)

司会:

原 淳二郎 (朝日新聞デジタル編集長)

13:00-15:00 セッション1「稀少資源としての電波」

【電波は無償で割り当てられていますが、帯域が稀少になった今、電波を効率的に配分するしくみが求められています。この秋に予定されている第3世代携帯電話のサービス開始や地上波デジタル放送の周波数割り当てを機に、電波を有効利用するための方策を考えます。】

スピーカー:

真野 浩 (モバイルインターネットサービス社長)

パネル:

猪瀬 直樹 (作家)

品川 萬里 (日本ITU協会理事長)

山本 平一 (奈良先端科学技術大学院大学教授)

ローレンス・レッシグ (スタンフォード大学教授)

司会:

池田 信夫 (RIETI上席研究員)

15:30-17:30 セッション2「通信の規制改革」

【日本では光ファイバーやDSLの価格競争が始まりましたが、米国では通信ベンチャーの経営が相次いで破綻しています。アンバンドル規制を強化すべきか、それともインターネットは「非規制」とすべきなのか――ブロードバンド時代にふさわしい通信インフラのあり方を論じます。】

スピーカー:

林紘 一郎 (慶応大学教授)

パネル:

東條 巌 ((株)数理技研会長)

中村 伊知哉 (RIETI上席研究員/MITメディアラボ客員教授)

ローレンス・レッシグ (スタンフォード大学教授)

司会:

安延 申 (RIETIコンサルティングフェロー/スタンフォード日本センター研究部門所長)

*上記プログラムの講演内容及び講演者は状況により変更することがありますのでご了承下さい。