人口政策は転換するのか――第六次全国人口センサスについて:投稿意見

孟 健軍
元客員研究員

中国の高齢化が世界に及ぼす影響

匿名希望

中国は、その「一人っ子政策」によって、予想より早く日本と同じように高齢化社会の課題、すなわち、生産年齢人口の減少、老齢人口の増加等への対策を講じなければならないような状況になってきている。大きく経済成長を続けている中国も、日本と同じように、産業における国際競争力をいかに維持していくのかについて、真剣に考えるべき時期になってきているということだろう。

中国国内の地域間の経済成長や生活水準に大きな不均衡がある状態のままで、高齢化社会の課題に対応することは非常に困難と思われることから、中国では、労働力の人口ボーナスが続いている間に、産業の更なる国際競争力の強化と高齢化社会へのソフトランディングのための戦略の構築とその実施化に取組むことになろう。

いずれにしても、中国も日本と同様に、高齢化社会の課題に対しては、外国からの労働力の導入等、国際的連携の視点で対応せざるをえなくなるので、より開かれた中国への展開が加速することが期待できるのではないだろうか。

高齢化社会への対応をキーワードとして、中国の抱える課題の解決に、日本を含む先進諸国が、その蓄積したノウ・ハウ等によって貢献し、中国との経済的・社会的関係がより緊密化・高度化し、より安定した国際社会が構築されることを期待したい。

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