グローバル経済下における雇用の非正規化:投稿意見

佐藤 仁志
研究員

解釈について

US賃金研究所 八田清久男

回帰分析グラフ下のパラグラフが重要と思いますので、質問させて頂きます。

「複数の労働者が生産単位を構成する場合、均質な労働者が比較的多い国では、労働者同士の補完性が重要な産業に比較優位が生まれる。雇用の非正規化が、労働者のスキル蓄積の格差を助長し、長期的にスキルの分布という意味においても労働市場の二極化を進めるとすれば、現在の比較優位産業の競争力に影響を与えることになるかもしれない。」

以上のコンテキストでは、「補完性」ではなく「互換性」が適切ではないでしょうか?
私の理解では、補完性とは均質な労働者の間ではなく、異質な労働者の間の関係です。
高度に専門的な労働者と定型的な仕事の労働者の関係が国際競争力にとって重要である産業もありますが、引用した文脈では正規社員と非正規社員のスキルが乖離する傾向に警戒を呼びかけておられるのですから。
したがって両者の補完性ではなく、互換性が適切ではないかと考えます。

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