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情報家電の現状と展望

いま、とても売れているデジタル家電とは何か?素朴な疑問からはじまり、それぞれの商品カテゴリ毎にアナログ時代のとの進化のレベルを検証する。さらに通信のデジタル化と融合することで今後どのような社会変化が起きようとしているのか?少しづつ現れているデジタル社会へのイノベーションの萌芽を見つけなから、後の章につづくためのイントロダクション的役割を担う。

2004年10月12日 情報家電と外観デザイン

情報家電を調査した際、とても評価に困ったのが情報家電の外観のデザイン性です。よくiPodが「デザインの良さで売れている!」と言われていますが、実際には家電量販店のMP3プレイヤー売り場にいくと、apple社だけでなく、各社が多種多様なデザインで勝負をしているのが解ります。また、MP3プレイヤに限らず、ほかの情報家電でも奇抜な形状のデザイナーズブランドどいえるようなデザイン性を重視した製品が、インテリア専門店で販売されている姿を見受けました。

このような現状を見ていくと、情報家電というものは半導体の微細化のイノベーションと通信インタフェースの利用(ワイヤレスが理想)によって、旧来のAV家電とはまったく違う外観を、物理的な制約なしに自由にデザインすること可能になりつつあるように思いました。以前であれば、レコードやカセットテープなどの記録メディアの形状がある程度、その機器の形状を決めていたと思うのですが、情報家電となるとネットワークさえあればコンテンツは情報家電の外にあっても構わないようになるのではないかと思います。

すると、近未来は、むしろ情報家電はますます形状やデザインなどで消費者のライフスタイルに溶け込めるか?(電源が入ってなくとも!!)という競争も起きると思います。

近未来において、情報家電の「消費者の生活に溶け込む形状やデザイン」について、日本企業はいかにして収益力のある競争力を持ち得るか?はそろそろ日本企業の重要な課題になっていると思います。

また、欧米のブランド力のある企業(家電企業とは限りません)とアジアのオープンアーキテクチャー部品を組み合わせた生産ネットワークの結合による「もの作り」がはじまると日本企業にとって、かなりの脅威になるのではないかと、現在の日本の繊維・服飾産業や時計産業を見ると予測できるような気がします。

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2004年10月12日掲載